
本日の患者様は40代の女性の方。
全顎的に高度の歯周病に罹患しており、全ての歯が歯槽骨から逸脱しグラグラの状態を呈している。
レントゲンを拝見すると、臼歯部(奥歯)部分にはほとんど骨がなく、下顎は下歯槽神経から5㎜程度、上顎は上顎洞から3㎜程度しか骨がない。
この患者様のような症例の場合、治療計画としては大きく2通りある。
①大規模な骨移植術を行い、臼歯部を含めて全顎的にインプラント埋入を行う。
②全ての歯牙を抜歯し同時に4本のインプラントを埋入。即日使用可能な仮歯を装着する。
①の場合はオーソドックスな方法ではあるが、治療期間が年単位になってしまうのと、かなりの費用がかかってしまう。骨が安定するまでは相当のご苦労を患者様にお掛けしてしまう。
②はオールオン4という画期的な方法である。小臼歯部よりも前方に4本のインプラントを埋入し、その4本で左右12本の歯を支える。
この方法であれば、抜歯術、インプラント埋入術、仮歯の装着が1日で行うことができ、患者様のクオリティーオブライフを損なう事がない。
その上、最小限の埋入しかしないため、ご費用も①に比べて抑えることが可能だ。
患者様にご納得いただき、次回手術となった。
その他のインプラント|2008年04月11日
本日の患者さまは20代の女性の方。
右下5番目の小臼歯の根の病気で何度か腫れてしまい、抜歯の適応である。
抜歯するにあたり、欠損をインプラントで回復するかブリッジで回復するかのご相談を何度かしている。
ご本人はインプラント治療をご希望されていらっしゃるのだが、ご両親の反対が強いという。
反対の理由は、骨の中に金属を入れると将来金属が骨の中で腐食してしまうのではないかという事と、金属製のネジが原因で骨が折れてしまうのではないかという不安があるのだという。
現在、歯科インプラントの使用されている金属はチタンである。
チタンは材料学的に極めて安定しており、腐食を生じる心配はない。また、アレルギー反応を惹起させることがほとんどない。
整形外科領域では人工関節、骨折整復用プレートとして広く一般的に使用されている。
また、ネジを骨に埋めることで骨が弱くなるのでは?というご心配をされていらっしゃったが、これは全く逆である。
歯を喪失すると、その歯を支えていた歯槽骨は徐々に吸収していく。
これは骨に対する血液供給の減少と、噛む刺激を失う事による骨の代謝の低下が原因である。
インプラントを埋入することにより、骨に咀嚼刺激が伝わり代謝が活性される。
そのため、骨の吸収は抑制され骨の脆弱化を阻むのである。
インプラント治療は、まだまだ誤解やご不安が多いことを知る良い機会となった。
その他のインプラント|2008年04月04日
本日の患者様は30代の女性の方。
左上4番が歯根破折のため、抜歯適応である。
ご本人はブリッジよりもインプラントによる欠損補綴をご希望された。
歯を支える歯槽骨は歯を抜いてしまうと、時間とともに吸収して(減少)しまう。
それは頬側歯槽骨において顕著で、抜歯後半年で3~4㎜程ロスしてしまうと言われている。
骨吸収した部位にそのままインプラント埋入をすると、隣の歯よりも長い歯になってしまい、やや見た目が悪くなってしまう恐れがある。
吸収して分を骨移植で補う事は可能だが、金銭的・時間的なコストがかかってしまう。
そのため、抜歯時にインプラント埋入が確定している場合で抜歯即時埋入手術が出来ない場合には、歯槽骨吸収を最小限に抑える処置を行う。
これをソケットプリザベーションという。
抜歯し、不良な肉芽組織を掻爬した後に人工骨を填塞し、メンブレンという特殊な膜で蓋をするか、コラーゲン材料で蓋をする方法が一般的になってきている。
この方法を用いると、抜歯窩の骨再生が迅速で、かつ骨吸収を最小限に抑えることができる。
その他のインプラント|2008年03月27日
本日は歯科インプラントにおける最先端研究のお話をしよう。
まず、インプラントと天然歯の最も大きな違いは、インプラントはインプラントフィクスチャーと呼ばれる歯根部分が直接骨と結合しているが、天然歯は歯根膜(歯周靭帯)を介して骨と結合している。
歯根膜の役割は多岐に亘り、硬いものを咀嚼した時の緩衝材、歯ごたえなどの知覚、咀嚼運動の反射的調節など重要な役割を担っている。
また、高度の代謝性があるため、セメント質、骨およびコラーゲンの産生能を有している。
言い換えれば、歯根膜によって歯周組織(歯槽骨や歯肉)の恒常性が維持されているといっていい。
しかしながら、インプラントには歯根膜がないため、過大な咬合力がインプラントに加わった場合、歯槽骨の吸収が生じてしまうことがある。
また、一旦骨吸収が始まると、それを再生させる能力をインプラントは持っていない。
そこで現在研究されているのが、歯根膜再生型インプラントである。
インプラントフィクスチャー表面に歯根膜細胞を作り出し、歯根膜の様々な特性を活かす研究が京都大学を中心に行われている。
この技術が実用化されれば、インプラントの寿命は飛躍的に向上するし、一度埋入したインプラントを矯正治療によって移動させることも可能になってくる。
インプラント治療の技術は日進月歩である。
その他のインプラント|2008年03月24日
本日の患者様は20代の女性の方。
左上の奥歯3本が欠損しており、インプラント治療の相談にいらっしゃった。
レントゲン検査をしてみると、左側上顎歯槽骨はかなり吸収が進行しており、そのままインプラント埋入を施すのは不可能だろう。
残存歯槽骨は目測で4㎜程度しかなく、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)の適応である。
一昔前のサイナスリフト手術は、腰の腸骨という骨を取って骨移植に用いるなど大掛かりで、患者様の負担も大きかった。
しかし、最近では口腔内の別の部位から骨採取を行い、人工骨とジョイントして洞内に填塞する方法が主流であり、この方法であれば通院治療が可能である。
また、以前はサイナスリフト後半年してからインプラント埋入をしていたが、様々な生体材料の発達によりサイナスリフト同時インプラント埋入が主流となっており、治療期間は大幅に短縮されてきている。
上顎奥歯のインプラント・サイナスリフトについては当院HPをご参照下さい。
http://www.implant-consul.com/clinic/000124.php
その他のインプラント|2008年03月11日






