延長ブリッジよりもインプラント

本日の患者様は40代の男性の方。

左下7番のお痛みで当院にお越しになった。
拝見すると歯の半分ほどが虫歯で崩壊しており、歯髄炎を発症している。
虫歯の進行度はかなり深刻で、歯根にまで進行しているため抜歯の適応となってしまっている。

まずは、お痛みを取るために神経の除去(抜髄)を行ったが、同時に抜歯後の治療法の選択肢のご説明を簡単に行った。

大まかに分けて2種類の機能再建方法があり、1つは手前の歯2本を支台とした延長ブリッジとインプラント治療である。
最後方歯の延長ブリッジは力学的にやや無理があり、かつ支台となる歯が健全な歯であっても大きく切削しなくてはならず、あまりお勧めできない。

この方の場合、ブリッジ治療にするのは利益よりも不利益の方がはるかに大きく、患者様にもご理解いただけた。

今後、抜歯即時インプラント埋入が可能かどうかの判定を行い、準備を進めたい。


他医院で治療中の方のインプラント治療計画

本日の患者様は30代の男性の方。

現在他医院で全体的な噛み合せ治療中だが、左下2本が欠損しておりインプラント治療を勧められているとのこと。
ただ、その医院ではインプラント手術は年間でも数件しか施行していないと聞き、インプラント治療だけでも専門のクリニックにお願いしようかとご相談にいらっしゃった。

この方のようにインプラント手術のみ当院でお願いしたいという患者様は少なくないが、全顎的な咬合治療をうけていらっしゃる患者様の場合にはいくつか留意しておかなければならない点がある。

歯並びの最終的な形態の把握、インプラントの最終上部構造を咬合治療終了後に当院で行うこと、他の修復歯のシェード(色調)の把握などなど・・。
当院で噛み合せ治療もお任せいただけていたら、全てを計画的・合理的に進めていけるのにと思うことは何度もなる。

今後数回のご相談に乗りながら、治療計画を作成していきたい。


HA(ハイドロキシアパタイトコーティング)インプラント埋入

本日の患者様は40代の男性の方。

左上5番が保存不可能で抜歯しなくてはならず、インプラント治療が可能かどうかのご相談にお越しになった。
歯の根は吸収しており抜歯は容易だが、抜歯即時埋入の可能性を探るのと上顎洞との距離を正確に測るためにCTスキャン検査をさせていただいた。

検査の結果、上顎洞との距離は約10ミリで歯牙周囲の骨も脆弱な印象である。
この場合、抜歯して治癒を待つと周囲骨の吸収によって普通埋入が不可能となり、上顎洞挙上術が必要になる可能性が高い。
そのため、抜歯と同時にHA(ハイドロキシアパタイト)コーティングインプラント、骨造成を同時に行うこととした。

HAインプラントは、従来軟らかすぎて初期固定も得られなかったケースでも、高い骨伝導能によって完全な骨癒合(オッセオインテグレーション)を得ることが出来る。
エビデンスの確立した製品は世界的にも高いシェアを得つつある注目の素材である。


サージカルガイドを併用したフラップレスインプラント埋入

本日の患者様は50代の女性の方。

左右下顎の奥歯2本ずつが欠損しており、現在は部分入れ歯をしていらっしゃる。
インプラントにして入れ歯の煩わしさから開放されたいとのご希望で先月お越しになった。

ご本人は心血管系の疾患のため、血液をサラサラにする抗凝固剤を内服しているため今までインプラントは不可能だとお考えになっておらてたそうだ。

早速掛かりつけの内科医と連絡を取り、抗凝固剤の内服中断を相談したところ1週間程度であれば問題なしとのご回答をいただいた。
しかし、患者様の不安を最小限にするため切開・剥離の必要の無いフラップレスオペレーションをご提案した。
これは、CT画像上でインプラント埋入シュミレーションを行い、そのデータに基づいてサージカルステントというものを作る
このステント通りにドリリングをすれば切開をすることなく最小限の侵襲・最小の出血量で埋入手術を行うことができる。

安全・快適な手術を心がけたい。


高度歯周病患者様のインプラント治療方針

本日の患者様は30代の男性の方。

まだお若いが、重度の歯周病に罹患されておりグラグラの歯が何本もある。
半年前から当院で歯周初期治療および再評価を行ってきた。

どれだけ治療を行ってもどうもこうもならない歯が6本あり、抜歯後の機能回復治療の選択についてカウンセリングを行った。

今回のケースでは、欠損した歯の隣在歯(隣の歯)が健全ならブリッジという選択肢もあるが、揺れていない歯がほぼゼロに近い状況ではブリッジによる負荷の増大で揺れがひどくなって数年後にはブリッジごと抜歯とならないように注意しなければならない。

全顎に亘る歯周病を有した患者様では、カチンと噛みあった時に歯が若干動いてしまう。
歯が触れた瞬間と止まったポジションが違うのだ。
それに比べて、インプラントは骨と完全に癒合しており、噛んでも微動だにしない。
そうなると、咬合力はほぼすべてインプラント部分に集中してしまい過負荷の状態になってインプラントのロストに発展しまう危険性がある。

この問題を解決するには、全てを抜歯してオールオンシステムによる全顎インプラントにする方法もあるが、金銭的にかなり困難だ。

そこで、噛み合わせのキーとなる数箇所の部位にはインプラントを、それ以外の部位にはブリッジをという方法をご提案した。
インプラント部に応力が集中しないよう、埋入後もしばらくはプラスティック製の仮歯で咬合の様子を診ていかなければならない。

今後歯を失うことのないよう、一生のお付き合いとしてメインテナンスを行っていきたい。



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