奥歯インプラントと対合歯との調和

image本日の患者様は30代の男性の方。

数年前に左下奥歯を2本を抜歯したのだが、仕事が忙しくなかなか治療を受けずに現在に至っているとのことであった。
やはり左側ではなかなかモノが咬み辛く、今回インプラント治療を受ける決意をされたとのことであった。

 

お口の中を拝見すると、欠損部位の骨の高さは充分にあるが幅がかなり減少している。また、咬み合せの上の奥歯(対合歯)が廷出(歯が出てきている状態)しており、ほとんど下の歯茎に当たりそうな状態であった。

このままインプラント治療をしても最終的な被せ歯は非常に薄い格好の悪い歯になってしまう。
対合歯と欠損部位との垂直的距離(クリアランス)を適切な状態に戻さなければ、患者様の満足を得るのはなかなか難しい。

一度萌えてきた歯を骨内に戻す圧下は矯正治療でも最難関であり、期間も相当かかってしまう。
患者様とも相談し、今回は上の歯を削合して被せる補綴治療を選択させていただくことにした。

対合歯との形態的・機能的な調和を求めて、治療を進めて行きたい。


インプラントと無痛鎮静法

本日の患者様は30代の男性の方。

無痛鎮静法左右奥歯の欠損をインプラント治療で治したいとのご希望でご来院された。

インプラント治療の期間や費用、リスクなどなど一通りのご説明をさせていただいたのだが、患者様の不安はインプラント治療は痛くないかとのことであった。

インプラント治療のお痛みに対する不安を訴えられる方は非常に多い。
顎の骨をドリルで削って、チタンのネジを入れるのだから患者様の不安も当然の事だ。

インプラント(フィクスチャー)の埋入手術は、そのインプラントメーカーが推奨する回転数、トルクを設定した専用のドリルを用いて行う。
骨に穴を開ける作業も非常に繊細に行われる。
したがって、患者様が想像されるよりも術後のお痛みは少ないのが一般的である。

患者様の一番のストレスである手術中はどうかというと、局所麻酔をしっかりと奏功させていればお痛みは皆無に近い。
しかしながら、骨を削る振動や口を大きく開けるのが辛い方には『無痛鎮静法』を併用した手術が望ましい。
『無痛鎮静法』は点滴麻酔で睡眠あるいは傾眠状態になっていただき、ボーっとした状態のうちに手術を終えてしまう方法である。
http://www.62-oral.com/mutu/index.html
患者様の不安を取り除き、安全・安心なインプラント治療をしていきたい。


即時荷重と待時荷重

本日の患者様は50代の男性の方。

右下奥歯2本を欠損して半年経過している。
何件かの歯科医院を訪れ、インプラントカウンセリングを受けていらっしゃったとのこと。

患者様は、1日も早く歯を入れたいたので、インプラント手術当日に仮歯を入れてその日から噛みたいというご希望をお持ちであった。

通常、インプラント治療のスケジュールとしては、埋入手術から下顎で2~3ヶ月、上顎で3~4ヶ月の待機期間を置き、骨癒合を待ってから負荷を掛ける待時荷重が基本であった。
しかし、インプラント治療の研究は日進月歩で進化しており、条件が揃えば埋入手術をした日に固定性の仮歯を装着しモノが噛める「埋入即時荷重」が可能と判ってきた。

ただし、埋入部位の骨がしっかりしており、且つインプラントの初期固定がしっかりしていることが絶対条件ではある。
この条件を満たさずに即時荷重を架けてしまうとインプラントの初期固定が失われ、グラグラして骨との癒合が阻害される。

そのため、即時荷重というのは必ず出来るものではなく、状態を全体的に評価して慎重に行わなければならない。治療が早く、患者様の食生活のクオリティー向上には良いが、リスクを伴う事も認識しなければならない。


晩期残存乳歯の抜歯即時インプラント埋入

本日の患者様は40代の女性の方。

右下乳臼歯(E)が晩期残存(後継永久歯の先天性欠損によって生え代わりせずに、乳歯が残ってしまった)状態であった。
乳歯は歯冠が虫歯でほぼ崩壊状態であり、レントゲンを拝見すると歯根もほとんでなく、機能的・審美的に不満足な状態になっている。

乳歯の歯根がほぼ吸収して(根が溶けて短くなって)いるので抜歯即時埋入が適応となるケースである。
若干の骨の不足は切削骨片および人工骨での補填となる。

抜歯即時埋入が可能なケースでは積極的に行うべきである。
利点として、治療期間の短縮、骨吸収の抑制
などがある。

今回も患者様のご同意が得られたため、抜歯即時埋入を行いたい。


咬合再構成を伴ったインプラント治療

本日の患者様は40代の女性の方。

あちこちグラグラして、まともに食事ができないとのお悩みで来院された。
初診時のレントゲン検査および口腔内診査をしてみると、咬み合せの高さが極端に低くなっている。
患者様ご本人も、顔が歪んだような気がすると仰っている。

顎模型を作成後、フェイスホウトランスファー(顎咬合診査・診断)を行ったところ、適切な咬み合せの高さより右で7㎜、左で9㎜の不足があることがわかった。
全体的に高さが不足しているだけでなく、左の方が右より2㎜不足しているために顔貌の歪みが生じてしまったようである。

また、ロングスパンブリッジ(本数の多いブリッジ)を支える歯は高度の歯周病になっており、抜歯の適応である。
したがって、インプラント治療を用いた、全顎咬合再構成治療が必要になってくる。

治療の手順としては
①顎咬合診査によって得られた理想的な咬合状態を再現した仮歯の作成
②その仮歯に沿ったインプラント診断用ステントの作成
③CT検査および3D画像処理・診断により抜歯即時埋入か骨再生後の埋入かの診断
④抜歯およびインプラント埋入
⑤保存可能な歯の切削・仮歯への変更
⑥インプラントへの仮歯の装着
⑦咬合状態の再診査・診断
⑧仮歯の修正
⑨仮歯の咬合状態をフィードバックしたセラミック人工歯の作成
⑩セラミック人工歯の装着

このように綿密な計画に沿った治療を行わなければ、全体的な咬み合せの治療は出来ない。
失われた美しい顔貌および咬合機能を回復するために、時間をかけて丁寧に治療を進めていかなければならない。



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