歯科恐怖症の患者様のインプラント治療

本日の患者様は30代男性の方。

幼少期より歯科恐怖症で歯医者に行けず、多くの歯がボロボロになってしまい、当院に「無痛鎮静法」を活用した治療目的にお越しになった。

初診時にレントゲン検査および口腔内診査をさせていただき、2回目に「無痛鎮静法」での初期治療および歯の保存の可否の判定を行った。
あらゆる手段を講じても保存不可能で抜歯しなければならない歯が12本あった。

3回目ご来院時に画像と歯型模型を用いて、現状と治療の選択肢をご案内し治療計画のディスカッションを行った。
この患者様のように、非常に大規模で全顎的治療を行うケースにおいては、クリニック側と患者様側が、選択した治療の内容、期間、ご費用等を何度も確認し、ゴールを共有しなければならない。

ただ漠然と治療を進めたのでは、歯科恐怖症の患者様は途中で億劫になって通院を中断してしまうことがある。
毎回の治療の進捗状況をご案内し、自分の治療が今何合目に来ているかをご理解いただくことでモチベーションに繋がっていく。

本日の患者様とは3回の治療計画ディスカッションを行い、埋入するインプラントの本数や全体的なご費用の確定を行った。
治療途中での微細な変更はあったとしても、患者様が受ける医療に対して相当量の知識を身につけていただいたのでご理解をいただけるものと思う。

歯科恐怖症の患者様は、治療行為そのものと、歯科医師を含めた歯科医療全体に恐怖心をお持ちのことがあるので、ゆっくりとご理解を得ながら治療を進めていきたい。


上下全顎にわたる抜歯即時埋入・即日負荷インプラント

本日の患者様は60代男性の方。

上下共に数本ずつの残存歯があるが、グラグラして硬いものが噛めないとのお悩みでお越しになった。
現在入れ歯をお使いになっており、入れ歯から卒業して何とかインプラントをとのお望みである。

患者様ご同意の下CTスキャン検査をさせていただき、骨の状態を立体的に診断させていただいた。

上下共に大臼歯部の骨は痩せて減少していたが、小臼歯より前方ではインプラント埋入に必要な骨が十分に存在していた。

この結果から、時間的・費用的に最もコストパフォーマンスの高い方法として『オールオンシステム』による治療法をご案内させていただいた。

上顎はCT値から察するに、骨の緻密度は低く柔らかい骨であると推察できる。したがって6本から8本程度の埋入を、下顎は4本ないし6本の埋入で十分な機能性を発揮できる咬合を再構築できる。

次回に抜歯即時埋入・即日仮歯完成・即日負荷の手術・治療を行うこととなった。


上顎への埋入即時仮歯装着インプラント

本日の患者様は60代の男性の方。

上顎総義歯をご使用中だが、インプラントにしたいとのご希望でお越しになった。

患者様のご了解を得てCTスキャン検査をしたところ、左右臼歯部には残存歯槽骨はほとんどなく前歯部相当部および臼後結節部(上顎の最こ後方部)の中程度の骨が見られた。

患者様のご希望は是非固定式の歯を入れたいとのことであるため、上顎左右に3本ずつの計6本のインプラントを埋入し、その上に固定性の歯を装着する『オールオン』方式治療をお勧めした。

この方法であれば、埋入手術当日に固定性の仮歯を装着することができ、時間的・費用的なフォーマンスは極めて高い

『食べることの楽しみ』をもう一度取り戻して差し上げたい。


総入れ歯患者様へのインプラント治療法

本日の患者様は60代の男性の方。

現在上下ともに総入れ歯をお使いになっているが、骨が徐々に痩せてきて何度調節しても食べづらいとのお悩みでお越しになった。

レントゲン検査を拝見すると、上下左右の奥歯にはインプラントを埋入できるような骨の残存はなく、上下ともに前歯部分に骨が多少残存しているだけであった。

この場合、インプラント治療の方針としては2つある。
①上下ともに6本ずつのインプラント埋入を行い、即日固定性の仮歯を装着する『オールオンシステム』による機能再建法。
②上下4本ずつのインプラント埋入を行い、それらにマグネットを装着して総義歯を支える方法。

②は入れ歯にもマグネットを装着させるため、かなりのフィット感を得られるものの、取り外し式の入れ歯である。
①はインプラント本体と人工歯を完全に一体化させる方法のため、固定性であり②の方法に比べご自身の歯を得られたような感覚がある。

現在では①の方法が主流であるため、②を行う方は極めて少数派である。
費用は若干①の方が掛かってしまうが、満足度から言えば①を選択された方がよいだろう。


総入れ歯から固定性の歯への転換

本日の患者様は60代の女性の方。

極度の歯科恐怖症で、初診時に残っていた歯は3本しかなかった。
それらもグラグラになっており、当院の『無痛鎮静法』で抜歯をし、その後、保険の総入れ歯を作り装着させていただいた。

しかし、半年ほど経過した今月に再度お越しになり、「歯が3本の時よりは随分噛めるもうにはなったけれど、やはり入れ歯は不便だからインプラントで固定性の歯を入れたい」とのご相談を受けた。

歯科恐怖症の方が、当院なら安心してインプラント治療をしてもらいたいと仰っていただいて歯医者冥利に尽きる。

総入れ歯の方の場合、一昔前なら上下に10本ずつの計20本ほどのインプラントを埋入していたが、現在では上顎には6本から8本、下顎なら4本から6本程度のインプラントを左右対称に埋入することで全体を維持することが可能というエビデンスが確立している。

しかも、埋入手術当日に固定性の仮歯まで装着する(埋入即時荷重法)ことが可能であるため、患者様にとっても非常に有用な方法である。

埋入本数を最小限にすることができるため、従来よりも低コストで行うことができ、患者様の経済的ご負担の軽減につながる。

数ヶ月後には、本日の患者様が大好物の煎餅を力一杯召し上がっていることだろう。



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