ソケットプリザベーションを併用したインプラント治療

本日の患者様は40代男性の方。

テレビドラマで活躍されている俳優さんである。
さすがにお口の中はよく手入れされており、治療の必要な箇所は少ない。

今回は右下の歯が以前からよく腫れるので、インプラントにしようかとご相談にいらっしゃった。

レントゲンおよびCT検査の結果、右下6番(奥から2番目の歯)の根の先に大きな膿の袋(歯根嚢胞)があるようだ。
歯根嚢胞は、大概が非活動性の慢性炎症のことが多いのだが、時に疲労や全身疾患など宿主側の免疫能の低下によって急性転化することがある。
そうなると、腫れや痛みを伴い食事などの日常生活に妨げとなる。

歯を保存するなら根管治療(根の治療)をしなければならないが、本日の患者様は今までに3回根管治療をやり直したとのこと。
回数のかかる根管治療にはもう希望を見出せないとのことでインプラント適応となった。

治療期間を最小限にすべく、抜歯時にソケットプリザベーション(抜歯窩に人工骨を即座に填塞し、骨の再生を促す)を行い、比較的早期のインプラント埋入を行うこととした。

歯がない期間は隣在歯に接着させる仮歯を装着させ、お仕事に支障のないようにしたい。



総入れ歯から固定性の歯への転換

本日の患者様は60代の女性の方。

極度の歯科恐怖症で、初診時に残っていた歯は3本しかなかった。
それらもグラグラになっており、当院の『無痛鎮静法』で抜歯をし、その後、保険の総入れ歯を作り装着させていただいた。

しかし、半年ほど経過した今月に再度お越しになり、「歯が3本の時よりは随分噛めるもうにはなったけれど、やはり入れ歯は不便だからインプラントで固定性の歯を入れたい」とのご相談を受けた。

歯科恐怖症の方が、当院なら安心してインプラント治療をしてもらいたいと仰っていただいて歯医者冥利に尽きる。

総入れ歯の方の場合、一昔前なら上下に10本ずつの計20本ほどのインプラントを埋入していたが、現在では上顎には6本から8本、下顎なら4本から6本程度のインプラントを左右対称に埋入することで全体を維持することが可能というエビデンスが確立している。

しかも、埋入手術当日に固定性の仮歯まで装着する(埋入即時荷重法)ことが可能であるため、患者様にとっても非常に有用な方法である。

埋入本数を最小限にすることができるため、従来よりも低コストで行うことができ、患者様の経済的ご負担の軽減につながる。

数ヶ月後には、本日の患者様が大好物の煎餅を力一杯召し上がっていることだろう。


歯周病でダメになった歯のインプラント治療

本日の患者様は50代男性の方。

右上のブリッジがグラグラして噛めないので何とかしてほしいとのご希望でいらっしゃった。
一般レントゲン検査および口腔内診査の結果、重篤な歯周病によって歯を支える骨のほとんどが溶けてしまっていて、その結果著しい動揺と咬合痛を生じている。

ブリッジの支えとなっている2本は抜歯処置とし、全顎的な歯周病治療を併行させながらのインプラント治療をご提案した。
右上がインプラント治療で上手くいっても、その他の部位がまた同じようなことにならないようにしなければ一生インプラント治療をし続けることになってしまう。

いわゆる「追いかけ治療」を防ぐために、歯周病治療と評価を厳密に行いつつのインプラント治療をしていきたい。


部分的矯正治療後のインプラント治療

本日の患者様は20代男性の方。

左上4番の小臼歯が欠損しているのでインプラントにしたいとのご希望でお越しになった。
抜歯してから1年ほど経過していて、後ろの5番目の歯が前方に倒れこんでしまっている。

このままの状態ではインプラント埋入は不可能であるし、仮にブリッジ治療を行なっても歪な形態の人工歯になってしまい審美性や機能性に劣る。

そのため、倒れた5番目の歯を部分的小矯正治療(MTM)で元の状態にしてからインプラント埋入をすることをご提案申し上げた。

MTMに4ヶ月程度、埋入から上部構造(セラミック人工歯)装着まで3ヶ月程度の期間を要することにもご承諾いただけた。


大学病院よりインプラント専門クリニックを選ばれた患者様

本日の患者様は60代女性の方。

某大学病院で全顎的なインプラント治療を行い、数ヶ月前に全て終了したとのこと。

埋入手術自体は問題なく行なわれて満足しているのだが、被せ歯(上部構造)の色や形、何より噛み合せの高さなどがどうしても受け入れられないとのお悩みをお持ちであった。

大学病院だけに担当医が度々替わり、その都度同じことを伝えなければならず疲れてしまったとのことであった。
治療終盤には担当医に噛み合わせや歯の形態等の不満を伝えるも、「仕方がないですよ」か「そのうち慣れますよ」ばかりで、一向に改善に向けた取り組みがなされないため諦めてしまったとのだという。

患者様が最も気になるのは、噛み合せがやや低下したのか少し老けて見えるようになったことと、歯が黄色くせっかくセラミックの高い歯を入れたのだから白くてキレイな形にしたいということ。

治療ステップとしては
①:フェイスボウトランスファーによる顎間関係の正常なポジションの測定
頭蓋骨を基準として、適切な噛み合せのポジションを把握するための作業。
②:①を基準とした仮歯の装着
現在装着されている上部構造を除去し、プラスティック製の仮歯の置き換えて噛み合せのしやすさ、歯の色や形、発音の具合などを検証していく。
③:②の結果に基づいたセラミック人工歯の仮着け

という順序になる。
文章で書くとほんの数行だが、精密な治療行程には数ヶ月かかるだろう。

大学病院などの大きな病院では、比較的頻繁に人事異動がなされるため担当医が替わってしまうことがよくある。(筆者も大学病院に在籍していた)
インプラント治療は、埋入手術、補綴(被せ歯を入れること)、メインテナンスと患者様と担当医が比較的長く付き合っていく治療である。
長く付き合っていくには強い信頼関係が必要になってくるが、担当医がコロコロ替わるとそれはできないし、責任の所在も曖昧になってしまいがちである。

インプラントを専門とするクリニックとして患者様のご要望に今後も応えていきたい。


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