左上2本に美しい歯を

本日の患者様は30代の女性の方。
左上4、5番目の歯が根っこだけの状態になってしまい、どうにかしたいとのご希望でいらっしゃった。

レントゲンを拝見すると根の内部も著しく崩壊しており、保存不可能な状態であった。
根の先端には比較的大きな歯根嚢胞(膿の袋のようなもの)もできており、抜歯と同時に嚢胞摘出も丁寧に行わなければならない。

療法は、ブリッジとの比較でインプラントを選択された。
しかし、治療期間を可能な限り短くしたいとのご希望もあり、嚢胞摘出時に歯槽骨のロスを防止するソケットプリザベーションも同時に行うこととした。

機能的で美しい歯を早く入れて差し上げたい。


優れた機能性・審美性の歯を入れることが目的

本日の患者様は60代の女性の方で、他院ですでにインプラント埋入手術をお受けになっており、あとは上部構造(被せ歯)を装着するのみだという。

拝見すると下顎の治療に比較的大規模な埋入手術が施されており、左右の奥歯に仮歯が装着してある。

患者様は、現在の仮歯が至極噛み辛くこのままセラミックの上部構造に移行しても満足に食べることができないのではないかとのご不安があり、担当医にその旨何度もお話になったのだが埋入手術はうまくいっているのだから後は何とでもなるの一点張りで、満足のいく回答をしてもらえなかったとのことであった。

インプラント療法において適切な埋入手術は非常に重要であるのだが、終局的な目的は機能性・審美性に優れた歯を入れることにある。要するによく噛めるようにするということの筈だ。

特に全顎的な治療を行う場合には咬合の付与は非常に難しく、仮歯を何度も修正しながら適切なポジションへと誘導していかなければならない。
仮歯が駄目なのに、セラミックの本歯でいきなり全てが丸く収まるということは皆無である。

本日の患者様は、当院で今後の補綴治療を行うこととなったが、急がず慌てず仮歯でしばし様子を診て行こう。


前歯の抜歯即時埋入術

本日の患者様は40代男性の方で、自転車で転倒され右上1番の前歯を破折された。

当該歯は完全に縦に破折しており、破折線は歯根中央にまで至っていた。
激しいお痛みを訴えていたため、即日抜髄(神経の除去)をして揺れる歯を固定した。

歯根にまで縦破折の生じた歯は保存不可能であることをご説明し、抜歯後の欠損補綴としてブリッジかインプラントのどちらかによる治療のご説明を申し上げた。

隣接歯は健全な歯であるため、インプラント療法をお勧めしご了解を得た。

通常、奥歯であればほとんどの場合において、抜歯後2~4ヶ月の治癒期間を置いてからの埋入手術となるが、前歯の場合には条件が満たされれば抜歯即時埋入を行う。

抜歯即時埋入術のメリットは、抜歯後の歯槽骨および歯肉などの歯周組織の吸収を最小限に食い止めることにある。歯を支える歯槽骨は抜歯後にどんどんと吸収を起こしてしまうことが知られている。

抜歯してしばらく経ってから埋入しようとしても、骨が不足し骨補填手術を併用しなければ審美性を回復できないケースも少なくない。

せっかく治療を受けるのであれば、より機能的で自然な感じにしたいという思いは全ての患者様がお持ちのはずであり、抜歯即時埋入術は効果的な手段の一つと言える。


インプラント専門家の選び方

本日の患者様は遠方よりお越しの50代の女性患者様。

現在上下ともに数本しか天然歯が残存しておらず、義歯をお使いになっていらっしゃる。
近所の歯科医院でインプラント療法の相談をされたが、残存骨が不足しているために手術不可能と言われ、都内の歯科医院数件に相談されたとのことであった。

一概にインプラント療法と言っても、使用しているメーカーも多種多様なら、歯科医師の治療方針も異なってくる。

骨が十分に残っている症例では治療方針に大きな差は出ないが、本日の患者様のようなケースでは治療方針の選択肢が数多く存在する。

治療法として、数本の天然歯を残しつつ行うのか、それとも残った数本にも見切りをつけて全顎的に行うのか。また、骨移植を行うのか、それとも傾斜埋入を多用して治療費用や期間を最小限に抑えるのかなどなど・・・。

患者様にとって重要なのは、担当医がいかに多くのオプションを持っているか、またある種のエラーが生じた場合にリカバリーする方法をいかに多く持っているかである。

多種の診療を多く経験している医師なら、「絶対に大丈夫」とか「失敗はない」とは言わないはずで、ある種のエラーについて術前に教えてくれるし、その際のリカバリー法も説明してくれるだろう。

それらの説明を全て受けた上で、患者様はご納得のいく治療法を選択されるのが良いのではないだろうか。


痩せた下顎骨への埋入

本日の患者様は40代の男性の方。

左右下顎奥歯が2本ずつ欠損しており、義歯(入れ歯)をお使いになっておられる。
しかし、義歯の宿命として、歯ごたえのある硬いものが噛めないとのお悩みで当院にご相談にお見えになった。

精密検査をご希望であったため、単純レントゲン写真の他にCT(院内設置)検査をさせていただいた。
左右の欠損部位は、抜歯後十数年が経過しており、当該部位の顎骨は垂直的な骨吸収(骨の幅が細くなっている)を生じており、このままでは極めて細いインプラントしか埋入ができない。

解決策としては
①オトガイ部(下前歯の下方)から骨移植をして顎骨を造成した後に太いインプラント埋入を行う。
②細い骨の頂上に切れ目を入れ、顎骨を意図的に頬舌的に骨折させて幅を広くする。中心の溝には人工骨を填塞し、骨化した後に埋入を行う。

①は効果は顕著だが、移植後半年経過しなければ埋入ができなため治療期間が長い。また、術後の疼痛もある程度はある。
②は①に比べて治療期間は半分くらいに短縮できるが、術式としては難易度が高い。また、患者様の頬粘膜の厚み(厚いほど血流が豊富で成功しやすい)に左右されることがある。

いずれにしても、埋入することが目的ではなく、より噛みやすく、セルフメンテナンスのしやすい歯を入れることが終局的な目的であることはいうまでも無い。


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