オールオンシステムかサイナスリフトかの選択
本日の患者様は近隣歯科医院よりご紹介の40代の患者様。
左右上顎臼歯が欠損しており、上顎で残存している歯は犬歯~犬歯までの6本のみである。
上顎臼歯相当部の歯槽骨は垂直的骨吸収が著しく、インプラント治療になるならば何れにしろ大規模な手術が必要になるため口腔外科専門医である当院にご紹介くださった。
目的意識のはっきりしていらっしゃる患者様であるので、早速ご了解を得て3次元CTスキャン検査および、口腔内診査(歯周基本検査、視診、触診等)をさせていただいた。
残存している6本の前歯は中等度の動揺があるもののすぐに抜歯しなければならないほどの状態ではない。
この前歯6本を残してインプラント治療を行う場合と、戦略的に抜歯してインプラント治療を行うのとで大きく手術方針が異なってくる。
①前歯6本を残す場合
左右上顎奥歯のインプラント治療を行うのだが、骨が圧倒的に不足しているため上顎洞底挙上術(サイナスリフト、サイナスフロアエレベーション)を行い、同時にインプラント埋入を行って約半年~10ヶ月の待機期間を設ける。
上顎に新生骨が出来てインプラントが骨と癒合していれば上部構造の作成に入る。
前歯を残す代わりに非常に長い治療期間を要することになる。
②前歯6本を戦略的抜歯する場合
臼歯部に骨がないが、前歯部にはインプラント埋入と負荷に耐えられる骨が存在している。
また、最後方部の上顎結節という部位にもインプラントを傾斜埋入させられる骨がある。
この場合にはオールオンシステムという左右3本ずつ程度のインプラント、合計6本程度で全体の歯を支える構造にする。
この方法であれば、抜歯即日インプラント埋入・即日仮歯作成・即日装着が可能であり、1日の手術で噛めるようになる。
最終構造物も約3ヶ月程度で装着できるため時間的メリットは大きいし、金銭的にも①の方法よりははるかにコストを抑えることが出来る。
欧米では残存骨があるうちにオールオンシステムにしてしまうのが一般的となりつつあるが、まだ残せる可能性のある歯を抜かなければならないので日本では抵抗感があるだろう。
今後数回のカウンセリングを行い、利点と欠点についてゆっくりご理解をいただいてお決めいただきたい。
その日から噛める|2010年04月06日
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