上顎犬歯部への傾斜埋入
本日の患者様は30代の女性の方。
左上犬歯が残根状態になっており、保存が不可能な状態になっている。
犬歯はヒトの歯の中で最も長寿命の歯である。
長寿命なのにはいくつかの理由があり、まずヒトは顎を左右に動かす時に、犬歯だけ最後まで当たるという咬合をする。これを犬歯誘導咬合と言って、犬歯のぶつかりによって奥歯が次第に浮き、奥歯に異常な水平圧がかかるのを防いでいる。
では、犬歯はその圧力に耐えられるのか? 耐えられるように犬歯はヒトの歯の中で最も歯根が長い。
考古学で発見される人骨においても、犬歯だけは残存している場合がほとんどである。
したがって、犬歯はヒトの咬合において極めて重要な働きをしている歯なのである。
本日の患者様の場合、不幸にも犬歯を喪失されるが、犬歯へのインプラントは16㎜以上の長く、可及的に太いサイズの埋入が望まれる。
しかし、犬歯窩付近には上顎洞の前壁が迫っているため、そのまま埋入したのでは上顎洞穿孔を引き起こしてしまう。
レントゲン検査を極めて慎重に行い、上顎洞を避けつつ充分な骨のある部位への傾斜埋入を選択する事となった。
前歯|2008年02月26日
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