下顎奥歯のインプラント



下顎骨の内部には下歯槽管というトンネルのような管が走行しています。
この内部には、下歯槽神経、下歯槽動脈、下歯槽静脈などが走行しています。
この中で、インプラント治療において最も留意しなければならないのが、下歯槽神経との距離です。
下歯槽神経は下顎奥歯の痛覚、
左右片側の下唇およびオトガイ部の皮膚の知覚を司る神経です。
この神経を損傷すると、下唇およびオトガイ部が麻酔がかかったように痺れてしまいます。
これを避けるために、埋入位置は下歯槽管から約2mm以上離れていなければなりません。

しかしながら、抜歯後時間が経過するほどに歯槽骨ぼ高さと幅は減少していってしまいます。
例えば、歯槽骨の埋入開始位置から下歯槽管まで10mmしかない方では、埋入できるインプラントは8mm以下になります。
しかしながら、奥歯は強い咬合力を支える歯ですので、8mm以下では長期的な安定が得にくい場合があります。

また、下顎奥歯では抜歯後、頬側の骨が舌側に比べ著しく骨吸収を生じます。
そのため、骨がある所にインプラントを埋入しようとすると、かなり舌側になってしまいます。
これでは、せっかく治療をしても噛み合せが悪く、舌感も良くないという不満が出てしまいます。

このような時に、インプラントの安定を図るため様々な方法を行います。

傾斜埋入法

下歯槽神経およびオトガイ孔を避け、前方方向に傾斜して埋入します。


部分骨移植

埋入部の部分的な骨の不足を自家骨および人工骨によって補います。
GBR(骨再生誘導法)を併用することもあります。

ブロック骨移植





垂直的、水平的骨造成を図るため、口腔内の他の部位からブロック骨を移植します。
移植骨が定着した後、そこにインプラントを埋入します。
※ブロック骨とは、粉末ではない、固まりの骨です。

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